金の使い道がなくて本のしおりに1万円札を使ってる
ふと、思った。
ATMで貯金残高を見て。
――あれ? 僕、これで何を買うんだろう?
僕は正社員でもうかれこれ10年働いている。銀行口座にはそれなりの金額が貯まっていた。
その数字の羅列を見て、思う。
欲しい物、なんかなかったっけ?
僕は安アパートに一人暮らしで、車もなく、質素な生活を続けているが、決して物欲がないわけではない。だからいいマンションとか車も欲しいし、ブランド物も好きだ。高級時計にも興味がある。
僕は欲の塊だ。この世のあらゆる物が欲しい。
だけど額に汗して日々働いて得た金だ。散財する気にはなれない。
どうしても無駄遣いする気にはなれないのだ。
しかし、それだと本当に金の使い道がない。
有意義な金の使い道が思い浮かばない
困った。途方に暮れるほどだ。
貯金が趣味という人間をよく耳にするが、僕は貯金額を見てニヤニヤする気にはなれない。
貯金は大事だが、金は使ってこそ価値のあるものだ。
使わなければ宝の持ち腐れそのものである。
将来のために貯めておけ、と人は言う。
彼女もいないし、結婚する見込みもゼロ。将来のない僕である。
では老後のため? 大事なことかもしれないが今はまだ勘弁してほしい。年金はばっちり徴収されてるし、それ以外に老後に金を残すことを考えるには早すぎるだろう。
必要以上の貯金はいらないので、欲しい物があったら買うようにはしている。
多少なら無駄遣いをしてもかまわないと思っている。
でも元来ケチな僕だ。結局無駄遣いはしない。
ギャンブルもやらない。
酒もタバコもやらない。
そりゃあ貯まるってもんだ。
かと言って有り余ってるほどでもない。だから募金も何か災害があれば少しならするがそれ以上はごめんなさいである。
他には投資とか旅行とかかな。なんにせよ、金なんてものは使おうと思えばいくらでも使い道はある。
でもやっぱり使わない。
とりあえず、貯めておくしかないか。
そのうち、必要になる時が、くればいいなぁ。